よくある質問
当宮に寄せられることの多いご質問や、神社の作法などについての疑問とその解答をまとめました。
参拝について
- 「初穂料」と「玉串料」はどう違うのですか?
古くより日本は「瑞穂の国」として稲作を営み、実りの秋になると感謝の心を込めて、田から刈り取ったままの稲穂を神さまにお供えして豊作を感謝してきました。これに始まる呼称が「初穂料」です。
又、神前にお供えする玉串(榊の枝に紙垂をつけたもの)にちなんだ呼称が「玉串料」であり、昇殿して祈願を受ける際に玉串奉奠を行う料金を指す、いわば祝詞料を指すと考えられます。
したがって、どちらを使ってもその人の自由ではありますが、社頭でお神札やお守りを受けるだけの時には「初穂料」、慰霊祭などの霊祭や神葬祭の弔事の際には「玉串料」と使い分けるとよいでしょう。
- おみくじは引いた後に持ち帰ってもよいのですか?
おみくじは、境内の木の枝などに結び付けておくものを思われている人は結構多いようですが、実際には引いた後の扱い方に決まりはありません。おみくじを枝に結ぶ習慣は「願い事がしっかり結ばれるように」との願いが込められて広まったと思われますが、貴重な境内の木々を傷める恐れもあるため、専用の設備に結ぶのがマナーです。
また、おみくじの目的は吉凶の判断だけではなく、金運や恋愛、失せ物、旅行、待ち人、健康など、生活全般について書かれた内容を、暮らしの指針とすることが大切だろうと思われます。たとえ凶が出ても持ち帰って、心がけ次第では吉がやってくると考え、日々の教訓として読み返したいものです。
- 初宮詣は生後何日目にするのですか?
「初宮詣」とは、親子ともども出産という大事を、神さまのご加護によって無事に終えたことの奉告と、子どもの健康と成長、そして今後のご加護をお願いするために神社へ参詣する人生儀礼の一つです。
地方により多少違いがあるようですが、普通は男児が生後32日目(または31日目)、女児 は33日目に参詣します。
初宮詣には、子どもに祝い着を着せ、夫の母(姑)が抱くのが習慣になっています。祝い着は、男児が黒地の紋付きで、女児は友禅の晴れ着が伝統的です。かつては、祝い着を妻の実家が調達していましたが、最近ではそういった古い習慣にこだわらない人も増えてきました。
また、何日目というのも一つの基準であって、どうしてもこの日にしなければならないというものでもありません。
まずは赤ちゃんの体調を第一に考えるべきでしょう。
- 「参拝は大安の日がいい」と聞きますが?
よく「今日は大安だから良い」とか、「仏滅だからお祭りは止めておこう」とか聞きますが、冠婚葬祭を行う日の吉凶をみるときに一般的に用いられるのが六曜(ろくよう)です。六曜とは先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口という六つの日の吉凶を現したものです。
この六曜は、鎌倉末期から室町時代にかけて日本に伝えられ、最初は今の曜日のような使われ方をされていたようです。現在のように、日の善し悪しを言うようになったのは江戸時代末期頃からだといわれています。
六曜の吉凶占いでは、友引に凶事を行わない、仏滅は万事を忌むなどといいますが、あまりその考えに束縛され過ぎるのは良くないでしょう。むしろ、一つの習慣として考える程度で良いのではないでしょうか。それよりも神社では「今日(きょう)の生日(いくひ)の足日(たるひ)」といって一日一日を大事に生きることが大切だと考えています。
- 参拝の作法について教えてください。
【まず最初に】
- ◇入り口の鳥居のところで衣服を整え、一揖(いちゆう※頭を下げること)して、心を引き締め、境内に入りましょう。
- ◇手水舎にて手水の励行をし、心身の浄化をいたしましょう。
【手水の作法】
- 右手で柄杓(ひしゃく)を取ります。
- 水を汲み上げ、左手にかけて洗います。
- 柄杓を左手に持ち替え、水を汲み上げて右手を洗います。
- 再度柄杓を右手に持ち替え、左の手のひらに水を溜めます。
- 手のひらの水で口をすすぎます。柄杓に直接口をつけないよう注意しましょう。
- すすぎ終わってから、左手をもう一度流します。
- 最後に柄杓を立てて、残っている水を流しながら、柄の部分を洗い、伏せて元の位置に戻します。 ご神前にて鈴を鳴らし、真心を込めて参拝いたしましょう。
【拝礼の作法】
- 先ず浅く拝礼して鈴の緒を大きく振り、お賽銭を奉納します。
- 背中を90度に折り、二度礼(拝)をします。
- 胸の高さで両手を合わせて右指先を少し下にずらし、肩幅程度に両手を開いて、二度拍手をします。
- 指先を揃え直し、もう一度深く礼(拝)をします。
ご祈願を受ける場合には、社務所(授与所)等で申込をしましょう。神社によって受付はさまざまですが、白崎八幡宮では社務所受付にて指定の申込用紙に必要事項をご記入いただいております。その際、初穂料(祈願料)を添えてお申込いただきます。奉献酒やその他のお供え物がある場合にも、受付にてお預かりいたします。ご祈願を受けられる際には、玉串拝礼をします。
【玉串拝礼の作法】
- 右手で榊の根元の方を上から、左手で先の方を下から支え、胸の高さに、左高に、少し肘(ひじ)を張って持ちます。
- 玉串の先を時計回りに回し、根元がご神前の方を向くまで回します。
- 右手を離して、玉串中央部分を下から支え、左手を右手下に添えます。
- やや進み、ご神前の前の案の上に玉串を置きます。
- やや下がり、二礼二拍手一礼の作法でお参りします。
ご祈願が終わったら直会(なおらい)を受けましょう。「直会とは」祭典中の精神の緊張を解いて普段の生活にかえることです。
神道のいろはについて
- 神道の用語
【神道】(しんとう)
神道は日本民族の間に自然に生まれ育った、伝統的な神祗(じんぎ)信仰です。『日本書紀』の第31代用明天皇の条に、「天皇信仏法尊神道」(天皇は仏法を信じ、神道を尊びたもう)とあり、これが我が国の文献上での初出です。
【鳥居】(とりい)
鳥居は神社の神聖さを象徴しており、神社の内と外の境に立てられます。鳥居より内側は神さまがお鎮まりになられる神域として尊ばれています。鳥居の構造は、日本の柱と柱の上に乗せた「笠木(かさぎ)」、その下に水平に通された「貫(ぬき)」という柱からなっています。
材質は檜や杉、石造・銅造・コンクリート造など様々です。また、「神明鳥居」「鹿島鳥居」「春日鳥居」「八幡鳥居」「明神鳥居」「稲荷鳥居」「山王鳥居」「両部鳥居」「三輪鳥居」など多くの種類の鳥居があります。【御神木】(ごしんぼく)
境内にある、注連縄(しめなわ)を張ったり、柵などを設けたりした杉や松などの老樹を、御神木といいます。御神木とは神聖な樹木を意味し、神霊が宿るものと考えられています。
【狛犬】(こまいぬ)
参道の両脇に一対で置かれている獅子型の像を狛犬といいます。石製のものが多く見受けられますが、中には銅、鉄、木、陶製のものもあります。片方が口を開け、もう片方が口を閉じている「阿吽(あうん)」の対が一般的です。神社によっては狐や猿の場合があり、狐は稲荷神社、猿は日吉神社に多く見られます。いずれの場合も邪気を祓い、神前を守護する役割を担っています。
【祝詞】(のりと)
祝詞とは祭典に奉仕する神職が神さまに奏上する言葉です。神職が仲取り持ちとして祈願者に代わり神さまに祈願の成就をお願いする意味が込められています。古来、我が国の祖先たちは、言葉には霊魂が宿ると考える、言霊(ことだま)信仰を持っていました。祝詞には、こうした言葉の霊力=言霊に対する信仰があるため、一字一句に流麗で荘重な古語を用い、丁重に奏上されます。
- 神棚はどのような場所にお祀りすればいいでしょうか?
神棚は明るくて清浄な高い場所(人々の目線よりも高い場所)に、南向きあるいは東向きに設けます。また、家族や会社の人が、お供えしたり拝礼したりするのに都合のよい場所であることも大切な条件になります。
ただし、人が出入りをする場所の上、たとえばドアの上であるとか障子やふすまの鴨居の上に、神棚を設けることは避けましょう。
家庭に神棚を設ける場合、場所としては座敷が一般的ですが、最近では座敷のない家庭も多くなったので、その場所は居間でもよいでしょう。
会社の事務所の場合はその長たる人の席の近くや中心となる場所が適当です。神棚の中央には、神殿の形を模した宮形を置き、その中にお神札を納めます。
神座の位置については、神棚の中央を最上位とし、次に向かって右側、その次が左側となります。 したがって、宮形が大きい場合には中央に神宮大麻を、向かって右側に氏神様、次に崇敬する神社のお神札をお祀りします。
宮形が小さい場合は、神宮大麻を一番手前にお祀りし、その後ろに氏神様、次に崇敬する神社のお神札を重ねてお祀りします。お神札の数が増えて、宮形に納められない場合には、棚の上に丁寧に並べても差し支えありません。
- いろいろな神社のお神札やお守りを持っていると、神さまが喧嘩しませんか?
日本の神さまは「八百万(やおよろず)の神々」というように、さまざまな御神徳の神さまが協力しあって私たちをお守りくださっています。ですから、神さま同士が喧嘩をするなどということはありません。
- お神札とお守りはどう違うのですか?
お神札は一家の安全などを願って神棚に祀りますが、お守りは一人ひとりが交通安全、学業成就、厄除など、それぞれのお願い事を願って身につけるものです。お神札を一年ごとに新しくお祀りするように、お守りも一年ごとに受け換えるのがよいでしょう。
- 神社ではなぜ数え年なのですか?
日本古来より伝わる年齢の数え方(数え年)は、この世に初めて生まれた日にいきなり1歳となります。そして、元旦(1月1日)がやって来ると2歳になります。以後、元旦を迎える毎に年齢を加算していきます。一年間の途中で誕生日がきても年齢を加算いたしません。
どうしてこのような数え方かというと、『人間は神の子。自分の力で誕生したのではなく、産土神(うぶすながみ)をはじめとする神さまの大御恵(おおみめぐみ)により生を受けた。』という敬神崇祖・神人和楽の感謝の気持ちや考え方が根底にあり、新年に「年神様」を迎えて五穀豊穣と家族の幸せを祈り歳をいただく喜びを感じることを尊重しているからです。
- 絵馬について教えてください。
祈願または祈願成就の証として神社に奉納する馬の絵を描いた額のことを「絵馬」といいます。
絵馬の形は、板の上部を山形にしたものが大半を占め、これにそれぞれの願い事を書いて奉納します。
日本では古くから神さまの乗り物として馬が神聖視され、お祭りや祈願のときには神馬(しんめ)といって生きた馬を神に奉納する風習がありましたが、その代わりとして板に馬の絵を描いて奉納するようになったのが、絵馬の起源とされています。
絵馬が一般大衆に広まったのは、鎌倉時代以降のことです。その頃から馬の絵の他にも、さまざまな動物(キツネやヘビなどがお祀りされている御祭神と関わりのある動物)も描かれるようになりました。さらに時代が下るにつれて図柄は多様化し、病気平癒・安産・子育て・合格・就職成就・良縁などを願う絵馬が増えています。
- 神棚がない場合、お神札はどのように祀ればよいのでしょうか?
まず、適当と思われる柱を決め、そこにお神札を糊やテープで貼ってお祀りします。注意したいのは、お神札は神の分霊であるため、静かで、人々の目線より高い位置にお祀りするようにします。
また、二階以上の建物で、下の階にお祀りするときは、上階の押入れの下にあたる場所など、人が踏んだかたちにならない場所にしましょう。あるいは、簡易的ではありますが、本棚やたんすの上に白い紙を敷くなどしてお祀りしてもさしつかえばありません。
- 注連縄(しめなわ)にはどういう意味があるのですか?
「注連縄」は神社や神棚などに見られるように、神聖な区域に懸け渡し、内と外を隔てて、不浄に触れさせないために用いられるものです。つまり、ここが特別な場所であることを、人々に明示するためであります。ですから、紙垂(しで)を垂らすというのも、注連縄を目立たせて、縄の所在をはっきりさせる目印なのです。
注連縄は、その形状によって、大根注連(だいこんじめ)、牛蒡注連(ごぼうじめ)といった種類がありますが、いずれも新しい藁(わら)で左綯(ひだりない)にして作ります。神棚に取り付ける際には向かって右に太い方、左に細い方がくるようにして、これに紙垂を四垂(よたれ)はさみ込んでください。
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